個人事業のこの支払い、経費になる?ならない?

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    JUGEMテーマ:税金と確定申告

     

    前回、『個人事業だと認められない経費とは?』で、法人と個人事業の経費の違いについてお話しましたが、その他にも、自宅と店舗・事務所が兼用の場合や事業用と生活用の区別など、個人事業主にとってその判断が難しい支払いは多くあります。

     

    ここでは様々な支払いについて「経費になる・ならない」を見ていきます。

     

    ■事業の利用割合により判断(自宅の一部を店舗または事務所としている場合)

    水道光熱費

    全額は無理ですがその利用割合に応じて経費にすることができます。

    利用割合の判断には、床面積の割合、利用時間の割合などがあります。

     

    通信費

    電話料金やネット回線利用料も利用割合に応じて経費にすることができます。

    一般的に利用時間の割合で判断します。

     

    地代家賃

    自宅が賃貸物件の場合も利用割合に応じて経費にすることができます。

    一般的には床面積の割合で判断します。

    ただし、親族に対する地代家賃は経費として認められません

     

    車両関連費

    購入費や車検代、ガソリン代など、その車が事業用であれば当然経費になります。

    例えばトラックなどであれば全額経費として認められるケースがほとんどです。

    (トラックをプライベート車として利用する人は少ないと思いますので。)

     

    事業用とプライベート用とで兼用で利用される方が多いと思いますが、そのような場合は走行距離などの利用割合に応じて経費にすることができます。

     

     

    ■その他の項目

    交際費(飲食代、祝儀・香典など)

    交際費については、法人は一定の上限が設けられていますが、個人事業はその上限がありません。

    つまり、いくらでも計上していいことになっています。

    しかし、交際費の中に事業と関係のないものが含まれていないか、事業主個人に帰属するものはないかなど、この項目は税務署も目を光らせています。

    大事なのは「誰に対する支出なのか」です。

    得意先や仕入先、その他事業に関係のあるものに対する支出であれば交際となりますが、本人や家族・友人や知人など、事業に関係のないものに対する支出は交際費として認められません。

     

    慰安旅行

    一般的に夫婦(青色専従者)や家族との旅行費用は経費として認められませんが、従業員も参加する旅行であれば事業主本人や青色専従者の費用も経費として認められます。

    しかし、特定の従業員のみ参加の場合は経費計上が難しくなるでしょう。

    また、「社会通念上一般的に行われている範囲」という考え方もあり、一人当たりの金額などによっては一部が経費として認められないケースもあります。

     

    この項目は白黒はっきりしないグレーゾーンがあり、税務署の担当調査官によって判断が分かれる部分でもありますので、顧問税理士とよく相談する必要があります。

     

    事業主の資格取得費(教材費)

    この項目についても見解が分かれるかもしれません。

    一般的に技術や知識の習得は個人に帰属し、個人に帰属するものは経費計上が認められませんが、事業遂行上必要とされる技術や知識の習得は経費計上が認められるともされています。

    基本的にはこの「事業遂行上必要」ということが説明できれば経費計上できる可能性は高いですが、これも顧問税理士または税務署に確認されることをお勧めします。

     

    税金

    事業税は全額経費になりますが、固定資産税は事業用の部分についてのみ経費になります。

    所得税や住民税は経費にはなりません。

     

    国民健康保険、国民年金

    国民健康保険や国民年金は事業の経費として認められませんが、その年に支払った全額を所得から控除することができます。

    経費でも所得控除項目でも最終的な税金はかわりませんが、「所得金額」と「課税される所得金額」に違いが生じます。

    何かの制度の適用やその他これらに類する規定の判断対象として「所得金額」とされているものもありますので、経費ではなく「所得控除項目」となります。

     


     

    このように、個人事業の経費の中には任意的に経費計上割合を定めるものもあれば、グレーゾーンが存在するものもあります。

    これらについては税務署側もはっきりと否定することは難しいでしょう。

    そのような項目については明確な根拠を示せるようにしておくことが必要です。

     


    個人事業だと認められない経費とは?

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      JUGEMテーマ:税金と確定申告

       

      ある日、知人から「同じ支払いで、ある企業では経費になるのにどうして自分は経費にならないの?」という質問がありました。

      答えは、そのある企業というのは「法人」で、その知人は「個人事業主」だからです。

       

      このように、法人であれば経費として認められるものでも、個人事業だと認められない項目があります。

       

      では、どのような項目があるか見ていきましょう。

       

      家族への賃金

      法人では経費として認められる家族に対する賃金は、個人事業の場合は基本的に経費にはなりません。

      たまに、手伝いをしてもらったことに対する手間賃として家族に支払うケースもありますが、これも経費にはなりません。

      ただし、青色申告者は事前に届出をすることで経費計上が認められます。

      (白色申告者は一定額の「専従者控除」があります)

       

      保険料

      法人の場合、法人名義で契約した代表者に対する生命保険料は法人の経費になりますが、

      個人事業主の場合は、事業主などの生命保険料は経費になりません。

      (事業用資産の損害保険料は経費になります)

      そのかわり、生命保険料控除として一定額の所得控除を受けることができます。

       

      福利厚生費

      従業員や法人の役員に対する福利厚生費は当然存在しますが、個人事業主単独での福利厚生費という概念は無いに等しいと言っていいでしょう。

      個人事業主に対する福利厚生費は「生活費の一部」とみられるケースがほとんどだからです。

      例えば、健康診断や食事代(弁当代)などが該当します。

       

      出張日当

      出張の際、実際にかかった交通費や宿泊費は法人であろうと個人事業であろうと経費にすることはできますが、法人では旅費規程を設けてその規定通りに日当の支払いがあれば、実費の他に支給する日当も経費とすることができます。

      一方個人事業主はと言うと、いくら旅費規程を設けてその規定通りに日当の支払いがあっても経費としては認められません。

       

      地代家賃

      自宅の一部を店舗または事務所にしている場合、名義人である自分や家族に対して支払う地代家賃は、法人であれば経費に計上することができます。

      (この場合、受け取る側の個人は確定申告が必要になります)

      しかし、個人事業の場合は経費とすることができません。

       

      法人の場合、支払人が法人で受取人が自分や家族となり、両者が別人格のため取引が成立します。

      しかし、個人事業主の場合、自分に支払う地代家賃は支払人と受取人が同一のため取引が成立しません。

      また、家族に支払う地代家賃は「賃金」と同じ性質のため経費として認められません。

       


       

      このように、法人と個人事業主とでは同じ取引でも経費としての捉え方が異なるため、個人事業主が節税目的で上記に挙げた項目を経費計上しても、税務調査で指摘を受けることになります。

       

      中には解釈の違いで経費計上が認められるケースもあるかもしれませんが、基本的に個人事業主のための経費は否認される可能性が高いでしょう。

       

       

      【関連記事】

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        初出記載:2016年11月1日


        数少ない消費税の節税方法

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          JUGEMテーマ:税金と確定申告

           

          法人税や所得税は利益に対して課税されますが、消費税は赤字でも課税されるため、特に資金繰りが厳しい事業者にとっては大きな負担になってしまいます。

           

          消費税の計算は、基本的に売上などで預かった消費税から、仕入や経費などで支払った消費税を差し引いて算定されます。

           

           『預かった消費税−支払った消費税=消費税納付額』

           

          このように、事業者が納付する消費税は預かったものをただ納めているだけですので、事業所に直接の負担はないわけです。

           

          理屈では確かにそのように理解はしていても、納付する事業者にとってはなかなか割り切ることができません。

           

          できれば納付額を少なく済ませたいと思うところですが、消費税の節税方法は状況が限られてしまいますので、法人税や所得税ほど節税対策がありません。

           

          ■消費税の節税方法

          ここでは、そんな数少ない消費税の節税方法を紹介したいと思います。

           

          ● 法人成り

          消費税の課税事業者の判定は基準期間(2期前)の課税売上高によって行われます。

          基準期間の課税売上高が1千万円を超えた場合に課税事業となりますが、この判定基準を利用したのが「法人成り」です。

           

          課税事業者である個人事業者が法人になることで、その新しい法人については基準期間が存在しなくなり、第1期目と第2期目は免税事業者になるのです

          ただし、資本金が1千万円以上の場合はこの免税事業者の制度はありません。

           

          基準期間とは別に、特定期間(法人の場合は事業開始日以後6ヵ月)の課税売上高(課税売上高に代えて給与等の支給額で判定することもできます)が1千万円を超えた場合、その事業年度から課税事業者となります。

           

          ● 雇用契約を業務委託契約に

          これは、支払いをした金額に消費税が含まれる「課税仕入」に該当するかどうかがポイントです。

           

          役員や従業員などの人件費は課税仕入に該当しないため、いくら支払っても消費税を減らすことはできません。

           

          一方、業務委託契約を結んでいる委託先への支払いは外注費などの「課税仕入」に該当するため、消費税を減らすことができます

           

          このことから、雇用形態にある従業員を業務委託に変更することで消費税の節税につながりますが、事業者側から一方的に雇用契約を業務委託契約に変更することができないため、従業員の了解を得なければいけません。

           

          ● 簡易課税制度との比較

          消費税の納付額は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算するのが原則ですが、基準期間の課税売上高が5千万円以下の事業者に限り、課税売上に一定の割合を乗じて計算する「簡易課税制度」を選択することもできます。

           

          乗ずる割合は業種ごとに区分されており、この割合で計算した金額と原則的は方法で計算した金額とを比較し、少ない方を選ぶことができます。

           

          この「簡易課税制度」を選択する場合、事前に届出が必要であり、選択した際には2年間変更することができません。

          (基準期間の課税売上高が5千万円を超えた場合は原則的な方法で計算します。)

           

          ● 販売先を海外にする

          消費税は国内の売上に対して課税されますが、輸出については課税されません。

          そのため、販売先を国外にすることで消費税の納付を抑えることができます

           

          しかし、事業内容によってはこの方法も一つですが、一般的に現実的ではありません。

           

          ● 多額の設備投資は課税事業年度で

          事務所の建設や多額の機械設備の購入予定(課税取引に該当しない土地の購入は除く)があり、さらに翌事業年度から課税事業者になるまたは免税事業者になる場合、購入する時期は課税事業年度の方が有利になります

          ただし、簡易課税制度を選択している場合はその影響はありません。

           

          ■まとめ

          このように、消費税の節税方法はないわけではありませんが、その方法はごくごく限られてしまいます。

          ですので、一般的に消費税の大幅な節税は不可能と言ってもいいかもしれません

           

          それでも大幅に消費税を節税したいということであれば、脱税行為に踏みきる可能性があります。

          そんなことを考えるより、毎月の積立など納税に備えた方法を検討したほうが賢明ではないでしょうか。

           

           

          【関連記事】

          「業務委託契約」を交わしているのに「雇用契約」として見られる?


          フリーランス美容師に多い「面貸し」の注意点

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            JUGEMテーマ:経営

             

            独立を目指す美容師の方に多い運営スタイルにフリーランスがあります。

            そして、そのフリーランスとして働く美容師の多くが、既存のサロンスペースの一部を提供してもらい、そこで自分の顧客のサービスを行います。

            この方法が「面貸し」です。

             

            その場合、同じサロン内で業務を行うため、一見雇用関係のようにも見えますが、フリーランス美容師は雇用ではなく、貸主と「業務委託契約」を結ぶ「個人事業主(中には法人化する方もいらっしゃいます)に該当します。

             

            ここではその「面貸し」によるメリットやデメリット、注意点などについてお話します。

             

            ■メリット

            初期投資が格段に安い

            既存のサロンを使用するため、サロンの開店資金は必要ありません。

            ただし、材料や機材の投資が必要になるケースもあります。

             

            自由な時間調整

            基本的に自分の顧客の対応以外はサロンに居る必要がなく、自由に時間を調整することができます。

             

            ■デメリット

            確定申告手続き

            従業員であれば、勤務先で年末調整を行うことで税金の計算は終了しますが、個人事業主は確定申告をしなければいけません。

            帳簿の管理や申告書の作成は手間がかかるため、専門家にお願いするケースもあります。

            依頼内容にもよりますが、その顧問料も決して安くはありません。

             

            集客の難易度が高くなる

            集約方法といえばホットペッパービューティーが有名ですが、店舗を持たないフリーランス美容師では利用できない可能性があります。

            また、利用できたとしてもその利用料が高額なため、一人で行うフリーランス美容師では採算が取れないケースも出てきます。

             

            ■貸主に対する支払い方法

            貸主に対する支払方法はいくつかありますが、代表的なものとしては「売上高の◯◯%を支払う」という方法があります。

            一般的に30%〜45%くらいが平均ですが、材料費の負担方法の違いなどによっても変わってきます。

            「売上の30%〜45%も支払うの?」と思われるかもしれませんが、初期投資の負担がないためこのくらいが妥当ではないかと思います。

             

            ■注意点

            賃貸契約の確認

            これは貸主側の問題ですが、そのサロンが賃貸物件の場合、契約内容によってはこの面貸しスタイルが契約違反になるケースがあります。

             

            これは、いわゆる「また貸しの禁止」が契約書でうたわれている場合です。

            フリーランス美容師が貸主に支払う対価が「サロンスペースの提供に対する対価」として扱われ、「また貸しの禁止事項」に触れてしまうのです

             

            税務署の見解

            同じスペースに同業の事業所(事業主)が複数ある場合、税務署から「利益の分散」「消費税の課税逃れ」を指摘される場合があります。

             

            「利益の分散」とは、利益を複数で分ける行為です。

            こうすることで、所得が高くなるにつれて税率が上がる累進課税制度においては、比較的低い税率で申告することができるのです。

             

            「消費税の課税逃れ」とは、売上が1千万円を超えるとその超えた年の2年後から課税事業者に該当し、消費税の納税が発生しますが、売上を複数事業者で分けて1千万円を超えないようにする行為です。

             

            両方とも「脱税行為」と見られてしま可能性があるのです

             

            そうならないためには、売上や経費をそれぞれで管理すること、雇用契約ではなく業務委託契約であること、できればお店の看板がそれぞれにあるといいかもしれません。

            (雇用契約と業務委託契約の違いについては『「業務委託契約」を交わしているのに「雇用契約」として見られる?』をご覧ください。)

             


             

            運営スタイルとしては比較的安易な分、デメリットや税務上の問題もあり、これらを理解していないと運営そのものが危うくなってしまうこともありますので、事前に確認しておくことが必要です。



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