税務調査の内容と心構え

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    JUGEMテーマ:会計・経理・財務

     

    税務調査と聞いて「ドキッ」とされる方は多いのではないでしょうか。

    やましいことがなくてもなぜか不安に感じてしまうものです。

     

    そこで、今回は税務調査についてお話させていただきます。

     

    ■税務調査とは

    そもそも税務調査とは、正しく記帳・申告されているかどうかを調査することであり、誤りがあればそれを指導することを目的としています。

     

    しかし、それは表向きで、やはり追徴課税を目的にしているのかもしれません。

    それが調査員の仕事ですから・・・。

    実際、売上の計上漏れを指摘することがあっても経費の計上漏れを指摘することはほとんど聞いたことがありません。

     

    ■税務調査の対象となるパターン

    税務調査の対象となるパターンはいくつかあります。

     

    あらかじめ情報を掴んでいる

    税務署があらかじめ情報を掴んでいるケースがありますが、この場合高い確率で修正申告の可能性があります。

     

    定期的な調査

    5年に1回など、定期的に調査が行われることがあります。

    しかし、売上の計上漏れや悪質な不正があった場合は3年に1回とその周期が短くなります。

    一方で十数年調査が行われていないところもあるようです。

     

    その他の要素

    ・急激な売上の増加

    ・土地建物の購入、多額の設備投資

    ・多額の退職金の支給

    ・消費税の還付請求

     

    ■主な調査内容

    業種や形態によって様々ですが、一般的に調査されやすいものは以下の項目です。

     

    現金出納帳

    現金出納帳は基本中の基本で、この現金出納帳があるという前提での調査になります。

     

    売上計上時期

    期末前後の売上で計上時期にズレがないか、また、請求の締め日後の売上計上状況の確認。

     

    棚卸し

    在庫の計上漏れがないか、また、その計上方法。

     

    給与関係

    扶養控除申告者、保険料・配偶者特別控除申告書が完備されているか、また、源泉所得税の計算内容。

     

    印紙

    契約書や領収証に印紙が貼られているかどうか。

     

    議事録

    株主総会や取締役会の決定事項については議事録が存在するかどうか。

     

    ■税務調査の心構え

    冒頭でもお話しましたが、調査員は追徴課税を目的としているかもしれません。

    そのため、怪しいものには疑いの目で見てきます。

    質問内容によっては、あたかもそれが「不正である」というような対応をしてくることもあるかもしれせん。

     

    ここで肝心なのは、「全て自社で処理している」ということです。

    処理に至るまでは色々な事情や経緯があり、それは自社でしか把握することができません。

    一方調査員は、会社の概要などは把握していても、このような事情や経緯を把握しているわけではありません。

    交渉事では、知らない者より知っている者の方が有利な立場に置かれます。

    税務調査においても、知っている自社の方が有利な立場にあるのです。

     

    調査員から指摘を受けたからといって何でもかんでも素直に応じる必要はありません。

    それが不正な処理でない限り、事情や経緯を説明・立証できれば正しい処理だと認めてもらえます。

    ですので、税務調査には毅然とした態度で対応しましょう。

     

    また、わからない質問についてはその場で答える必要もありません。

    「わかりません」という返答だと、「相手に怪しまれるのでは?」と思うかもしれませんが、

    ヘタに説明しようとするほうがかえって怪しまれます。

    「後日調べて返答します」でいいのです。

     

    とは言っても、多少不安もあるでしょう。

    その不安を取り除くためにも、普段から適正な処理と証拠資料の保存を心掛けることが必要です。


    ペーパーカンパニーの設立は節税?脱税?

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      JUGEMテーマ:税金と確定申告

       

      事業を行う上で「納税額は極力少なくしたい」と思うのはどの会社も同じでしょう。

      そのために色々な方法で節税に取り組んでいる企業もありますが、違法な節税は「脱税」となり、ペナルティーを受けてしまいます。

       

      しかし、その「節税」と「脱税」の明確なラインがない「グレーゾーン」が存在します。

       

      その一つに「ペーパーカンパニーの設立」があります。

       

      ペーパーカンパニーとは、法人登記はされているものの事業活動の実態がない会社を指します。

      会社の設立自体に違法性はありませんが、その処理内容によっては「脱税行為」とみなされてしまうこともあります。

       

      ■ペーパーカンパニーの設立による節税

      利益の分散

      中小法人においては、利益が年800万円以下については税率の軽減措置が設けられており、利益を分散することによって低い税率が適用されます。

       

      例えば利益が1,000万円の場合、200万円をペーパーカンパニーの利益にすることで、1,000万円全額が軽減措置を受けることができます。

      (均等割りは2社分納付しなければいけません。)

       

      消費税の還付

      商品の仕入を免税事業者であるペーパーカンパニーが行い、その商品を課税事業者である既存の法人に通常の販売価格よりも高く販売し、既存法人は通常の販売価格で外部に販売することで消費税の還付を受けることができます。

       

      例えば、仕入価格2千円、外部販売価格3千円の商品があったとします。

      この仕入をペーパーカンパニーが行い、4千円で既存法人に販売し、既存法人が外部へ3千円で販売した場合、既存法人では課税仕入4千円が課税売上3千円を上回ってしまいますので、その上回った1千円にかかる消費税の還付を受けることができるのです。

       

      しかし、事業を行う上では必ず「利益の獲得」が目的となってきますので、わざと損失を出す取引は明らかに不自然であり、悪意を感じ取られるでしょう。

       

      売上高の分散

      消費税については、基準期間の課税売上高が年1,000万円以下であれば免税事業者となり、年5,000万円以下であれば簡易課税制度との選択適用ができます。

      これらの売上高の範囲内に収めるために売上高を分散します。

       

      交際費

      資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人については、年800万円を超える交際費は損金として認められないこととなっています。

      この800万円の枠をペーパーカンパニーを設立することで2社分の1,600万円までに拡大することができます。

       

      土地の売却

      時価が下がった土地を売却し土地売却損を計上して利益を圧縮します。

      例えば300万円の利益が出ている会社が、購入価額1,000万円、時価700万円の土地をペーパーカンパニーに700万円で売却することで300万円の土地売却損が生じ、最終的に利益をゼロとすることができます。

       


       

      ペーパーカンパニーを設立することで、一見このような節税効果を得ることができるように見えます。

      しかし、実態が存在しないペーパーカンパニーとのこれらの取引は、合法的な節税ではなく「法の隙間を突いた行為」として見られ、「脱税」と判断されるのがほとんどです

       

      また、実態が存在する別会社であっても、代表者や業種・所在地が同じ場合なども上記で挙げた行為は厳しく見られるでしょう。

       

      それでもこのような行為を行うのであれば、なぜ別会社が必要なのか、なぜそのような取引が必要なのか、その辺りを説明し納得してもらえるような根拠が必要になります。

       

       

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      あなたのその行為は節税?脱税?

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        JUGEMテーマ:税金と確定申告

         

        事業をされている方であれば利益が出た際、税金を納めなければいけません。

        給与所得者の方や、一定額以上の贈与・相続を受け方も納税が発生します。

         

        これらの税金の負担については誰でも抑えたいと思うところでしょう。

        そのために「節税」される方もいらっしゃいますが、その節税が行き過ぎて「脱税」になっていることはないでしょうか。

         

        ここでは「節税」と「脱税」の違いについてお話したいと思います。

         

        ■節税とは

        節税とは、法で定められた範囲内で税金の負担を減らすことです。

         

        事業をされている方の代表的なものでは「青色申告の選択」が挙げられます。

        個人事業であれば青色申告特別控除の適用があり、法人・個人全てにおいて税額控除やその他青色申告特有の特典を適用することができます。

         

        また、経費の計上漏れを防ぐことはもちろん、医療費控除や寄附金控除、各種保険の活用なども挙げられます。

         

        贈与や相続の場合では、一定要件を満たした際に適用される特別控除などもあり、これら全てが合法的に節税効果を発揮します。

         

        ■脱税とは

        一方脱税とは、本来課税されるにも関わらず、その事実を隠蔽し違法的に課税負担を逃れることを言います。

        代表的なものとして、売上の除外と架空経費の計上が挙げられます。

         

        この脱税行為については当然税務署も目を光らせています。

        発覚すれば延滞税や加算税などの罰則があり、悪質なものになれば刑事事件として処理されることもあります

         

        ■グレーゾーン

        中には経費として認められるかどうか、実際判断の難しいものもあります。

         

        例えば、個人事業主が自宅の一部で事業を行っている場合、光熱費などの経費計上額は事業用と生活用に按分して計算しますが、この按分割合は法律で定められているのではなく、事業主が合理的な方法で算定します。

        その按分割合が適正かどうかは一概には言えず、見解の違いによって分かれてくるのです。

         

        この場合、仮に按分割合が適正ではなかったとしても余程のことがない限り悪質と見られることはないでしょう。

         

        このようなグレーゾーンについては、その判断基準が曖昧なため税務調査での指摘事項になりやすいので、説得できるだけの根拠が必要となります

         

        ■租税回避

        もう一つ、「租税回避」に該当するものもあります。

        課税行為は法律で定められているものについて行われますが、一方で法律の定めがないものについては課税しないとも読み取れます。

        この「法律の定めがない」ことをうまく利用したのが「租税回避」です。

         

        例えば、海外に関連会社を持つ内国法人があったとします。

        関連会社が存在する国の税率が日本と比べて低い場合、その関連会社の方の利益を意図的に多くすることで全体の税負担を軽減することができるのです。

         

        この行為は決して違法とは言い切れませんが、法律の隙間を突いた行為であり、課税の公平の観点から容認できない不当な租税負担の軽減とされています。

         

        この租税回避もグレーゾーンとなっています。

         


         

        「節税」と「脱税」を同じものと考えている方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれませんが、上記でも述べたようにこの二つは全く別扱いです。

        また、租税回避についても「正当な節税」だとハッキリ言い切るには少し抵抗があります。

         

        この辺りの判断がまだ曖昧な方は顧問税理士によく確認し、適正な申告を心掛けましょう。


        社用車の購入は新車と中古車とどっちが有利?

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          JUGEMテーマ:税金と確定申告

           

          社用車の購入を検討されている方は、新車と中古車とどちらにしようか迷われることもあると思います。

           

          新車には新車の良いところが、中古車には中古車の良いところがありますが、税金面から見た場合、一体どちらが有利になるのでしょうか。

           

          先に結論から言えば「どちらもかわらない」というのが回答です。

           

          しかし、直近の税金面だけを見れば違いがあります。

           

          それでは、一体どのような違いがあるのでしょうか。

           

          耐用年数

          車両(商品としての車両は除く)を購入した場合、青色申告者であれば30万円以上のものについては一度固定資産に計上され、毎年の減価償却によって経費計上されますが、何年で償却するかという「耐用年数」に違いが生じます

           

          一般的な乗用車を新車で購入した場合、軽自動車(排気量が660cc以下のもの)は4年、それ以外の乗用車は6年と耐用年数は定められています。

           

          しかし、中古で購入した場合はその年数の経過に応じて耐用年数は短くなります

           

          <中古資産の耐用年数>

          ・法定耐用年数の全部を経過した資産

          その法定耐用年数の20%に相当する年数

          ・法定提要年数の一部を経過した資産

           法定耐用年数−経過した年数+(経過した年数×20%)

           

          1年未満の年数は切り捨て、その年数が2年に満たない場合は2

           

          例)耐用年数6年の乗用車を購入した場合

            6年以上経過した場合の対応年数

             6年×20%=1.2年 ∴2

            2年経過した場合の対応年数

             6年−2年+(2年×20%)=4.4年 ∴4

           

          減価償却費

          上記の耐用年数の算定方法をふまえ、実際に税金にどのような影響があるのか見ていきましょう。

           

          [前提]

           購入価額:3,000,000

           法人税率:25

           償却方法:定率法

           法定耐用年数:6

           

          新車を購入した場合(耐用年数6年、償却率0.333

           

          減価償却費

          税金減少額

          1年目

          999,000

          249,750

          2年目

          666,333

          166,583

          3年目

          444,444

          111,111

          4年目

          297,334

          74,334

          5年目

          297,334

          74,334

          6年目

          295,554

          73,889

          合 計

          2,999,999

          750,000

           

          6年以上経過した中古車を購入した場合(耐用年数2年、償却率1.000

           

          減価償却費

          税金減少額

          1年目

          2,999,999

          750,000

          2年目

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          合 計

          2,999,999

          750,000

           

          このようにトータルでみると税金面では同じですが、中古で購入した場合、早い段階で償却が終了します。

           

          これは、30万円未満の少額減価償却資産の償却や一定資産の特別償却などと同様、直近の税金を減らす効果があります

           

          また、車両の場合、法定耐用年数を経過したものの耐用年数は2年になりますが、その際の定率法の償却率は1.000となります。

          つまり、期首に購入した場合は備忘価格の1円を残してその事業年度に全額経費計上することができるのです。

          (事業年度の途中で購入した場合は月数按分となります。)

           


           

          このように、法定耐用年数内の税金に対する影響は変わりませんが、中古資産の購入は早い段階で償却額を多くすることができますので直近の節税対策につながります。

           

          しかし、中古車を購入することでその維持費が新車よりも多くなることが考えられるため、自社の状況に合わせて選択した方がいいでしょう。

           

           

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          車両関連費による節税効果

           


          役員借入金を放置しておくと多額の納税が?

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            JUGEMテーマ:税金と確定申告

             

            企業が事業活動を行うためには少なからず投資が必要になってきます。

            その投資を資本金で賄うのか、それとも金融機関から融資を受けるのか、その方法は色々とあります。

            中には役員自身が自己資金を投入するケースがあると思いますが、これは会社が役員から資金を調達する「役員借入金」となります。

             

            金額はともかく、この役員借入金がある会社は少なくないのではないでしょうか。

            金融機関からの融資は、当然定期的に返済していかなければいけませんし、利息も発生します。

            一方役員借入金は、「資金に余裕があるときに返済すればいい」という利点と、「利息の支払義務が必ずしもあるわけではない」という利点があります。

            更に言えば、そのまま返済しなくてもいいのです。

             

            会社にとってこの役員借入金は、「借りるだけ借りて返済しなくてもいい」という都合の良い資金調達方法ですが、実はそのまま返済せずにいると多額の税金が発生してしまう可能性があるのです

             

            役員借入金は、会社から見れば債務に該当しますが、役員個人から見れば「会社への貸付金」となり「債権」に該当します。

            役員個人に相続が発生した場合、この債権が「相続財産」となり相続税が課税対象となるのです

             

            いくらその会社が債務超過の状態であっても、役員借入金は帳簿価額のまま評価されます

            事実上資産価値のない「会社への貸付金」は、相続税が発生した場合の納税財源にはなりませんので、この「会社への貸付金」が多ければ多いほど相続税の納税に苦労するでしょう。

             

            そうならないためには、役員借入金を減らしていかなくてはいけません。

            とは言っても、会社に資金がなければ返済することはできません。

             

            では、どのように減らしていけばいいのでしょうか。

            方法としては3つほど考えられます。

             

            ● 役員報酬を返済名目で支払う

            役員報酬の一部または全部を減額し、そのかわりに役員借入金の返済として役員に支払うのです。

            こうすることで、資金の動きは今までと変わらずに役員借入金を減らすことができます。

             

            また、役員個人からしてみれば、「貸したものを返してもらっているだけ」になりますので、この返済分は「所得」に該当しません

            そのため、役員個人の所得税や住民税、社会保険料を減額することもできるのです。

             

            しかし、会社側は「役員報酬」という経費が減少するため、利益が出ている会社では法人税等の負担が増加します。

            この辺りは慎重に検討する必要があります。

             

            ● 贈与する

            「役員借入金」自体を贈与して減らしていく方法です。

            贈与税は年間110万円までが非課税となっていますので、この非課税枠を有効に使うことで全体の納税額を減らすことができます。

             

            ただ、贈与金額によっては贈与税の負担の方が多くなってしまうケースがあります。

            また、この方法は数年に渡っての贈与が必要となりますので、毎年の贈与金額など事前計画が必要です。

             

            この「役員借入金の贈与」については、以前『自己株式の贈与による相続税対策』でお話した内容を参考にしていただければと思います。

             

            ● 放棄(免除)

            これは、役員個人が会社への貸付金を放棄することで役員借入金が無かったものとする方法ですが、一方会社側は債務の免除をうけることになりますので、「債務免除益」という収益の計上が必要です。

            そのため、会社に多額の税金が発生してしまいますので、繰越欠損金がどのくらいあるのかや今後の事業活動の見込みなどを視野に入れて検討する必要があります。

             


             

            このように、役員借入金を減らす方法はいくつかありますが、上記に挙げた3つの方法にはそれぞれデメリットもありますので、うまく組み合わせてどの方法でいくら減らすのか試算した上で行った方がいいでしょう。



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